CX-5

マツダ新型CX-5の試乗レポート。ガソリン車とディーゼル車を徹底比較

2017年にフルモデルチェンジしたマツダ新型CX-5。先代モデルから大幅に進化した、質感の高い内外装が評判の車です。

そんなCX-5のエンジンはガソリン車(2.0L、2.5L、2.5Lターボ)とディーゼル車があるので、購入時にどちらにするか悩むところではないでしょうか。

実は私もその一人で、

  • 新型CX-5と先代モデルの違い
  • ガソリン車とディーゼル車の違い

ここは知っておきたいところです。雑誌やブログなどにすでに試乗ネタはあるんですが、実際に乗ってみないと本当のことはわからないですよね。私が気になるのは

「内装や外装は先代からどう進化したのか?」

「スペックは同じなのか?」

「走りや乗り心地、燃費、静粛性はどうなのか?」

このあたりです。

気になったらとことん調べたくなる性分なので先日、新型CX-5のガソリン車とディーゼル車をレンタカーで借りて乗り回してきました。その時に気が付いたことを試乗レポートしたいと思います。

新型CX-5の外装と内装は先代KE型から大幅進化

車を購入する時に、まず気になるのはエクステリアとインテリア。性能が良くても、内外装がダサくなってると買う気がなくなりますよね。

そこで新型CX-5のエクステリアやインテリアが、先代に比べてどのように進化したのかチェックしてみたいと思います。

新型CX-5はさらに引き締まったデザインに進化

CX-5エクステリア_先代新型
出典:https://www.goo-net.com/

左が先代KE型CX-5で、右が新型CX-5です。先代モデルもマツダの魂動デザインでしたが、現行型は先代型とほぼ同等のサイズながら各部を洗練させたデザインへ進化していますね。

全体的な印象としては

  • 新型CX-5
    ⇒キリッと引き締まっていて外車のような雰囲気
    ⇒ソウルレッドとマシーングレーの色がかなり美しい
  • 先代KE型CX-5
    ⇒少し柔らかい雰囲気で、親しみがある

このように感じました。好みが分かれそうですが、私は新型CX-5の方が質感が高くて好きです。

内装の質感は大幅に向上。高級車の領域に達した

cx-5_int
出典:https://autoc-one.jp/

上が先代KE型CX-5で、下が新型CX-5のインテリアです。

次はインテリアをチェックしました。内装の質感は先代から大幅に向上していたのが率直な感想です。

先代ではナビがダッシュボードに埋め込まれ、少しゴチャゴチャした感じでした。また、ダッシュボードはプラスチック感が強くて色も安っぽいグレーだったので、チープな印象は否めません。

対して新型CX-5はナビがダッシュボードの上へ移動し、水平基調のシンプルなデザインへと進化。スイッチ類もコンパクトにまとめられていて、使い勝手も良いですね。

質感の面ではダッシュボード等にステッチが施され、プラスチック感は全く感じないような材質と、上質なグレーになっていました。もはや外車にも引けを取らない領域に達したといって良いでしょう。

さらに新型ではアクティブ・ドライビング・ディスプレイ(※)も採用されており、視界の移動が少なく済むため運転に集中できそうなところも好印象でした。
cx-5_add
出典:http://www.mazda.co.jp/

※フロントガラスに情報を投影。交通標識認識システムによる標識なども表示される

新型はディーゼル車のパワーが15馬力アップ。G-ベクタリングコントロールも搭載された

新型と先代KE型とのスペックを比較してみました。

2Lガソリン(2WD)
スペック 新型CX-5 先代KE型CX-5
カタログ燃費
[WLTC]
16.0km/L 16.4km/L
エンジン最高出力 156馬力 155馬力
車両重量 1,530kg 1,470kg

 

2.5Lガソリン(2WD)
スペック 新型CX-5 先代KE型CX-5
カタログ燃費
[JC08]
14.8km/L 15.2km/L
エンジン最高出力 190馬力 188馬力
車両重量 1,560kg 1,480kg

 

2.2Lディーゼルターボ(2WD)
スペック 新型CX-5 先代KE型CX-5
カタログ燃費 17.4km/L
[WLTC]
18.4km/L
[JC08]
エンジン最高出力 190馬力 175馬力
車両重量 1,630kg 1,560kg

スペック上の違いで目立ったのは

  • 新型ではディーゼル車のパワーが15馬力も向上
  • 約50kg重くなった車体

特にこの2つです。

重くなった要因は衝突安全性や静粛性を高めたことや、標準でついてくる装備が増えたからでしょう。

中でも新型から搭載され始めた、スカイアクティブ技術の一つであるG-ベクタリングコントロール(※)の搭載が大きな違いといえます。
CX-5_gvector
出典:http://www.mazda.co.jp/

※横方向と前後方向の加速度(G)を統合的にコントロールし、4輪への接地荷重を最適化してスムーズな挙動を実現する制御技術

試乗開始!新型CX-5のガソリンとディーゼルをドライブしてきた

外装と内装のチェックが済んだところで、いよいよ新型CX-5の試乗に移ります。

今回はガソリンとディーゼルそれぞれに試乗してきました。ガソリンには2Lと2.5L、2.5Lターボがありますが、今回借りたのは2Lモデルです。また、ディーゼルは4WDの設定もあったんですが、借りたレンタカーは2WD車です。

それぞれのスペックはこれ。

スペック CX-5(2WD)
[2Lガソリン]
CX-5(2WD)
[2.2Lディーゼルターボ]
グレード 20Sプロアクティブ XDプロアクティブ
車重 1,530kg 1,630kg
燃費 16.0km/L
[JC08]
17.4km/L
[WLTC]
エンジン最高出力 156馬力 190馬力

コースは市街地、高速、郊外のトータル30kmです。実際に乗ってみるとガソリンとディーゼルのそれぞれ良いところ、悪いところがたくさん見つかりましたよ。

ガソリン車は運転のしやすさが魅力

まず試乗したのは2Lガソリン、20Sプロアクティブの2WD車です。

先代KE型CX-5と比べて走りやエンジン性能、乗り心地、燃費についてどう変わったのか見ていきます。

新型CX-5の静粛性はかなり向上した

CX-5ガソリン試乗_市街地

まずは市街地です。主に静粛性を中心にチェックしました。

市街地の走行中にまず気になったのは出足の悪さ。周りの車の流れにはついていけるものの、余裕はありません。先代より約50kgも重くなったことが影響してるのかもしれません。

静粛性は驚きの静かさでした。先代だと後席と会話する時に声が聞き取りづらい感じがあったのですが、新型ではそんなことはありません。車内で大きく声を発しなくても、会話できるようになったのは良い点ですね。

新型CX-5ではフロントガラスの板厚を増やしたり、ドアトリムなどに遮音材や吸音材が適切に追加されていました。そのあたりが静粛性が高くなった要因だと思います。

市街地を抜けて、燃費計を見てみると

『6.5km/L』

という表示が。燃費達成率では41%とかなり低いです。i-stop(※)が装備されているものの、燃費の環境が悪いと改善には限界があるのでしょう。

CX-5_i-stop
出典:http://www.mazda.co.jp/

※アイドリングストップ技術

ガソリン車はパワー不足を感じた

CX-5ガソリン 高速で試乗

次は高速です。高速道路ではエンジン性能を重点的にチェックしました。

市街地でも余裕のなさが気になった加速性能ですが、高速合流時や追い抜き時はやはりパワー不足を感じますね。特に4人乗車時の運転はストレスが溜まりそうだなぁという印象。

静粛性は、速度域が高い影響でロードノイズや風切り音は少し大きくなったものの、先代に比べるとかなり静かになっていてビックリしました。市街地同様に後席との会話も楽にできます。

高速を降りて、燃費計に目を移すと

『13.1km/L』

を記録。(※高速に入った時に燃費計はリセット)
燃費達成率は82%とかなり良い数値です。

高速走行時は、追従機能付きのレーダークルーズコントロール(※)を90km/hに設定して走りました。そのため、アクセルを無駄に踏まなかったことが燃費の伸びた要因だと思います。

CX-5試乗_レーダークルーズコントロール
出典:http://www.mazda.co.jp/

※設定した速度で定速走行ができる機能。前走車と一定の距離を保ちながら、追従走行をすることも可能。

ガソリン車は運転がしやすかった

CX-5ガソリン 郊外で試乗

郊外では走りを重点にチェックしました。

今回走った郊外はカーブや凸凹が多い道路でしたが、新型CX-5は終始安定していたのが印象的。

コーナリング時はロールがほとんどなく、狙ったラインで曲がってくれました。重いボディなのに「なぜ?」と思ったんですが、新型で追加されたG-ベクタリングコントロールが効いていたようです。

凸凹を通過した時も、先代とは比べものにならないほど突き上げや揺れが軽減されていました。どんなシーンでも安定していたので、不安がなくてとても運転しやすいことも良いですね。

目的地に着いて燃費計に目を移すと

『12.0km/L』

をマーク。(※郊外に入った時に燃費計はリセット)
燃費達成率は75%と良い数値です。

郊外の走行時ではi-DM(1※)のコーチング機能を利用し、燃費が良いとされるグリーンランプを意識して運転していました。これが良い燃費に繋がったのかもしれません。

CX-5試乗_i-DM
出典:http://www.mazda.co.jp/

1※インテリジェント・ドライブ・マスター
運転操作中の無駄を抑えたスムーズで軽快な走りをサポートしてくれる機能。

[まとめ]新型CX-5の2Lガソリン車は運転がしやすい

新型CX-5の2Lガソリンの試乗結果を表にしてまとめてみました。

  • 2Lガソリンの評価
    項目 2Lガソリン
    走り
    エンジン
    乗り心地
    燃費
    平均実燃費 10.5km/L

2Lガソリンで1番良かったのは走り。コーナリングは狙ったラインで走行でき、どんなシーンでも突き上げや揺れが抑えられていて安定しているので、初心者でも運転しやすい車だと思います。

一方、エンジンパワーは車重の割に非力なため、大人数を乗せた時の移動時にはストレスを感じそうでした。さらに平均実燃費は約10km/Lと悪い数値だったので、燃料代がかかりそうなことも欠点に思いましたね。

ディーゼルターボは加速がパワフルで、燃費も良い

続いて試乗したのは、新型CX-5の2.2LディーゼルターボのXDプロアクティブです。

2Lガソリンに比べて走り、エンジン性能、乗り心地、燃費についてどう違うのか見ていきます。

ディーゼルは2Lガソリンと同等の静粛性だった

yariscross燃費_市街地

試乗はガソリン車と同じく市街地からスタートです。ここでは静粛性を中心にチェックしました。

市街地では2Lガソリンから一変し、少しアクセルを踏むだけでグイグイ加速。周りの車の流れをリードすることも可能で、別の車のようでした。

静粛性では、2Lガソリンと使用されている遮音材や吸音材がほぼ同じなのでかなり静かですね。ディーゼルはうるさいと聞きましたが、新型CX-5のディーゼルは2Lガソリンと遜色がないほどの静かさになっていました。

混雑の激しい市街地を抜けて燃費計を見ると

『7.7km/L』

という表示が。2Lガソリンは6.5km/Lだったので、1.2km/Lディーゼルの方が良いです。

2Lガソリンと同じくi-stopがついていますが、発進と停止の多い場面ではディーゼルも燃費の悪化を抑えるのには限界があるのでしょう。

ディーゼルはどんなシーンからでもパワフルに加速した

yariscross高速

次は高速です。

市街地でも鋭い加速をしてくれたディーゼルですが、高速合流時からパワフルな加速をしてくれました。追い越し時にアクセルをしっかり踏んでみても、100km/hまであっという間に加速。どんなシーンからでもパワフルに加速してくれるので、パワー不足を感じることはありませんね。

静粛性は2Lガソリンと同等レベルに静かです。後席とも楽に会話できました。ただし、ディーゼルは軽く回転数を上げるだけで加速してくれるので、2Lガソリンより静かなシーンが多いように感じますね。

高速を抜けて、燃費計に目を移すと

『15.4km/L』

をマーク。2Lガソリンの高速燃費が13.1km/Lだったので、2.3km/Lもディーゼルの方が優秀です。燃料も軽油なので長距離を多く走る人ほど、ディーゼルの方がランニングコストは有利になりそうですね。

ディーゼルは2Lガソリンより若干突き上げが大きくなった

yariscross燃費 郊外で試乗

高速を抜けて郊外です。

ディーゼルの走りは2Lガソリンとほぼ同等というのが私の率直な感想。ディーゼルは2Lガソリンより約100kg重いんですが、意外にも重さを感じさせない動きです。

コーナリング時のロールは軽減されていました。狙ったラインで曲がることができ、ディーゼルでもG-ベクタリングコントロールの出来の良さを体感。

凸凹道を通過した時も不快な突き上げや揺れはなく、フラットな乗り心地でした。ただし、2Lガソリンより若干突き上げや揺れは大きくなった印象です。それでも助手席に乗っていた妻には好評な乗り心地でしたね。

郊外の燃費は

『14.1km/L』

という表示。2Lガソリンは12.0km/Lだったので、郊外でもディーゼルの方が燃費が良いことを確認できました。

[まとめ]ディーゼルは加速がパワフルで、燃費も良い

新型CX-5のディーゼルを試乗した結果を表にしてまとめてみました。

  • 2.2Lディーゼルターボの評価
    項目 2.2Lディーゼルターボ
    走り
    エンジン
    乗り心地
    燃費
    平均実燃費 12.4km/L

ディーゼルの優秀なところはパワフルなエンジンパワーと燃費です。どんなシーンからでもパワフルに加速するので、ストレスを感じることはありませんでした。

また、平均実燃費は2Lガソリンより約2km/L高い上に、燃料は軽油なのでディーゼルの方がランニングコストは抑えられるでしょう。遠出するなら断然ディーゼルの方が良さそうです。

加速がパワフルで、コストが安いディーゼルは買い

  • 総合評価
    項目 2Lガソリン 2.2Lディーゼル
    走り
    エンジン
    乗り心地
    燃費
    平均実燃費 10.5km/L 12.4km/L

新型CX-5の2Lガソリンとディーゼルを比較してみて、良いと思ったのはディーゼルです。

2Lガソリンは、ディーゼルよりも車体が安定していて運転しやすいのは魅力的。しかしパワー不足なシーンが多く、ストレスが溜まりそうでした。さらに燃費も良いとは言えない数値です。

ディーゼルは重い車重の影響で、2Lガソリンより突き上げや揺れが少し大きくなりました。ただし、気になる程度ではなく、このクラスのSUVにしては良い乗り心地です。

また、どんなシーンからでもパワフルに加速してくれますし、実燃費が良い上に燃料は軽油。なので、たくさん走るほどディーゼルの恩恵を受けられるでしょう。

なので私は、CX-5のディーゼルが買いだと思います。

マツダ新型CX-5の試乗車を予約するなら電話が良い

CX-5電話予約

これから新型CX-5を試乗しようと考えている人は、マツダのホームページから試乗車検索をすると思います。ただ、それをすると

そんなに待てないよ・・・

ってなってしまうんです。なぜかというとホームページからの予約だと選択できるのは3日後から。明日試乗したいなと思っても予約できません。

なので、試乗車のあるディーラーを見つけたらさっさと電話してしまった方が早いです。私の場合は当日の電話予約でOKでした。

新型CX-5の試乗レポート動画を公開

試乗になかなか行けない人のために、かなり詳しく試乗レポートしている動画がYouTubeにあったので紹介しておきます。

 

ジャーナリストの五味やすたかさんが新型CX-5のディーゼルに乗って、詳しくレビューしてくれています。YouTubeにはいろいろ試乗動画がありますが、これが一番わかりやすかったです。

CX-5のブログや試乗記はたくさんネット上にありますが、こういうプロの試乗記は質が良いのでオススメです。

マツダCX-5を安く買うには?

cx-5kuchikomi_yasuku
CX-5を安く購入するには値引きが重要です。ただ、値引きについてはちょっと気を付けてほしいことがあります。それは…

値引き交渉でディーラーに騙されている人が多い

ということです。

この記事を見てくれた人には絶対騙されてほしくないので、実際にCX-5を購入した人がどうやって騙されずに値引き交渉したのか、次の記事でチェックしてみてください。

» マツダCX-5の値引き実例!相場と限界は?

「CX-5」に関する人気記事